君に捧げるラブソング

「どうだろうね。まあ、最悪無理矢理にでも聞くよ」

少しだけ口の端を持ち上げてそう言うと、優奈は愉快そうに俺の肩を叩く。

「あんまり優人の事いじめちゃダメだよ~?」

「分かってるよー」

「ほんとに~?」

気のない返事の俺を疑っているのか、まだ笑いが止まっていない。

「……優人に本当に彼女が出来たら、ダブルデートとかしてみたいね」

「ダブルデートかぁ……ちょっと憧れるね」

俺と優奈は優奈が高校二年生の頃から付き合っているけど、優奈は病室から出られないから、俺たちはダブルデートどころか、ちゃんとしたデートもした事がない。

もちろんその分、俺が休みの日には毎日病室に足を運んでいるし、俺はそれで満足している。

ただ、優奈はどうか分からないけど。

「私も早く気管支を元気にしないとね!」

力こぶを作る優奈を、ポカンと見つめていたけど、すぐに吹き出してしまう。

「……ふはっ、気管支を元気にって、人間みたいだね」