優奈がすっかりいつもの調子に戻って、

録音を始める。

優奈の体力的にも、……お金的にも、

今日一日で取り終わりたいから、

時間を無駄にすることは出来ない。

まあ、そんなことを気にするまでもなく

すぐに録音は終わったけど。

単刀直入に言うと、優奈は全然昔と

変わっていなかった。

美しく、どこか儚い優奈の歌声。

世界で一番好きな歌声。

世界で一番好きな人の、歌声。