いちばん最初に思いついた曲だった。

「嫌、だった……?」

歌詞表を受け取っても何も言わない

優奈に不安を感じて恐る恐る聞くと、

優奈は小さく首を振る。

「違うの……嬉しい、の……」

大きな瞳にうっすらと涙を溜めている優奈。

それだけで俺は、満足だった。

「……でも私、何年も歌ってないから、

下手かも……」

「大丈夫。そうなったら笑ってあげるよ」

無駄に顔をきめて、優奈にキランと歯を

見せる。

「もうっ!潤ってばっ」