「優奈、大丈夫?」

「う、うん!大丈夫!気にしないでっ」

いや、気にしないでって言われても……。

今日は優奈にとって数年ぶりの外出。

もちろん、医者には許可を取っている。

歌を録るとなると、病院では出来ないから、

一番近い録音スタジオを借りている。

それよりも……。

いつもより少し重みがある袖を見つめて、

もう一度優奈を見る。

……こんなことされたら気になるよなぁ。

「で、で?私は何を歌えばいいのかな?」

「……これ」

「これって……」

<夜空に輝く 星たちのように>

<俺は君にたくさんの愛を 伝えたい>

<君は俺にとって かけがえない人だから>

いつか、優奈に聞いてもらった、

未完成だった曲。

優奈に歌ってもらえることになって、