あれから一週間、俺は毎日大学を休んで優奈の病室に入り浸った。

いつものように、目を細めて笑ってくれる人が居ない。

それはたまらなく怖く、恐ろしいのだと、身をしみて実感した。

「お願いだから、優奈……まだ、いかないで」

まだ、君に聞かせてあげたい曲があるんだ。

だから、まだ……。

……っ。

い、ま……。

優奈の真っ白な手を握っていた手に、小さいけれど確かな動きを感じて、顔を上げる。

そこには……。

「……じゅん?あれ……?今日って休日……?」

寝起きのように眠たそうに目を擦りながら、こちらを見ている姿があった。

「優奈……っ」

反射的に抱きしめていた。

よかった……っ、よかったっ!

「え、え?じゅ、潤……?大丈夫?」

「ばか……」

「えっ?ど、どうしてっ?」