<夜空に輝く 星たちのように>

<俺は君にたくさんの愛を 伝えたい>

<君は俺にとって かけがえのない人だから>

真っ白な空間に、持ち運び用のスピーカーから流れる音楽が静かに響く。

でも俺はの意識は、音楽ではなく、目の前に座る、目を閉じて音楽に聞き入っている女の子に向いていた。

「……いい曲だね」

曲が終わって少ししてから、その女の子、優奈は口を開く。

「そう?改善できるところがまだまだあると思ったんだけど」

「ううん、私はこれが好き」

素直な感じが好き、と、優奈は呟く。

「そっか、ありがとう」

優奈の頭に手を置いてそう言うと、優奈は目を閉じて柔らかく微笑んだ。

優奈は小さい頃から病弱で、小学生の頃はよく入退院を繰り返していたけど、高校入学前に重いインフルエンザにかかってしまい入院。

それが原因で、元々弱かった気管支が以前に増して弱くなり、それから今までの四年間、ずっと入院している。

その上、もう一度インフルエンザのような病気にかかると、命の危険があると言われている。