電車の中の片隅で

やばい。恥ずかしい。

でも恥ずかしさのあまり硬直して、彼と目があったまま動けない。

彼は、友達の口を塞いでいた手を下ろす。

お互いにますます顔が赤くなっていく。

彼は片手で自分の顔を押さえる。

「なんだ、もう両思いじゃん」

そんな空気の中、彼の友達が言ったその言葉だけが静かに車内に響いていた。

窓越しの青い空。

線路を走る電車の音。

そして顔を赤くした私たち。

とある電車の片隅で、翔と呼ばれた他校の彼と両思いになったみたいです。