電車の中の片隅で

あんなに優しく微笑みかけるのが、私にだけだったらいいのに、なんて思ってしまう。

「もういいもなにも、毎日この子のこと楽しそうに話して バレてないとでも思ったわけ?」

彼の友達はさっきと違いニヤニヤしてこちらを見てくる。

「好きなん————」

途中まで言われたその言葉と同時に彼が友達の口を塞いだ。

えっ、、、好き?

彼の焦ったような顔はほんのり赤くて少し驚いた。

「えっと、、、あの、これは————」

そこまで言った時、彼は止まった。

なぜなら多分、私の頬がものすごく赤いから。

自分でも熱を帯びていることがわかるくらい、熱い。