それがきっかけで私たちは、自然とその日から会うと話すようになっていた。

彼は私をどう思っているのだろうか。

正直、迷惑としか思ってないのかもしれない。

でも、朝の電車で一緒にいてたわいもない話をして、その時だけは素の自分でいられるような心地よい安心感に包まれる。

あの時はただかっこいいと思っていたのが、余計に好きって気持ちが大きくなって、もうどうしようもない。

「どうしたの ぼーっとして」

青い空を眺めていると彼から声をかけられる。

彼の風邪が治ると、爽やかボイスだということがわかった。

「今日はあったかくて気持ちいいなって思って、、、」

行き場のない気持ちはこの青い空に消えてしまえばいいのに。

そんなことを思っていると、次の駅を知らせるアナウンスが車内に鳴り響いた。