私は、初めての電車通学でどこに行っていいかわからず、最後の車両の方にたどり着いた。

その時初めて彼を見て、一目惚れしてしまった。

そのくらい綺麗だった。

朝の空気のように澄んだ肌と綺麗な目。

人が多い中、ひときわ目立って見えた。

興味本位で彼の隣に立つと、急に電車がブレーキをかけた。

やばい。 

急いで吊革に手を伸ばすが、届かずに体が傾く。

「わっ」と声を出したと同時にドンッと音がした。

彼にぶつかってしまったのだ。

急に冷や汗が吹き出して、急いで体を離した。

「すいません」

初登校でこんなことになるなんて、本当についてない。

私がぺこぺこと頭を下げていると、上から声が降ってきた。