「7時7分発、普通〇〇方面△△行きは、10両で参ります  ———————————————————」

アナウンスと共に、私は息を切らして駅のホームを走る。

ホームの端っこから四番目のところ、屋根もないので比較的、人が少なく、不人気らしい。

私は朝の空を見れるこの場所、好きなんだけどな。

私たちの前には、ガタンゴトンと音を立てながら、電車がやってくる。

同時に突風が起こり、さっき直した前髪が乱れてうっとうしい。

電車の扉が開くとたくさんの人が降りてくる。

私はその隙に鏡を取り出して必死に前髪を直した。

降りる人がいなくなると、今度は入れ替わるように私たちが順番に中へと入っていく。

中は空調が効いていて、汗でひっついた髪の毛も、自然と乾きそう。

あっ、いた。

心の中でそんな言葉を発したのと同時に、彼と目が合った。