出会った彼は


「よろしくお願いします。」


周りのスタッフさんに挨拶をしながら入ってくる涼太くん。

私は距離があるので気づいてはいないみたい。


気づいてほしいのか、自分。

複雑な感情を抱えながらテスト風景を見ていると。


「わっ」

グイっと手を後ろに引っ張られる。

「久しぶり。」

「カズさん…。」

手を引いた人物は、カズさんだった。


「お久しぶりです。」

「やだもう、そんな改まらないでよ。」

あれから、カズさんも色々と心配して連絡をくれていた。


でも、どうしてもうまく話が続かなくてメッセージもそのままになっていた。

「すみません、色々と心配していただいたのに…。」