私の線香花火はというと、火花が小さくなって、赤く綺麗に灯っていた火種が黒く色が変わり落ちることなく燃え尽きた。
「あ」
「芽依やったじゃん!願い事した?」
「願い事…。忘れてた…。」
「も~、まだ1本ずつあるし、これで最後だよ!」
みんなで火をつけた最後の線香花火はあっけなく落ちてしまった。
願い事をしていないなんて嘘だ。
願わくばもう1度、涼太くんの隣にと願ってしまった。
願掛けでも何でもいい。仕事じゃなくて、アイドルじゃない涼太くんに会いたい。
でも、未練タラタラな私を見てくれるはずはない。
そう思って、願い事はなかったことにした。
花火を片付けて、コテージで眠る。
次の日の朝、お日様のポカポカした温もりを感じながら目を覚ます。
まだ誰も起きていないようで、キッチンへ行きコーヒーを淹れた。

