「でも…。」
「仕事だから。それに三枝さん直々のオファーだよ。断らないよ。」
「なんかあったら言えよ。」
「ありがとう。」
CM撮影は1か月後。
それまでに、気持ちを整えなきゃ。
忙しく仕事をこなしているとあっという間に隆也さんの引っ越しの日になる。
引っ越しを手伝うため、みんなで隆也さんの家に行く。
「え、荷物これだけ?」
みんな驚くほどの荷物の少なさ。
これはもう、手伝いなんていらなかったのでは?というくらいに。
「男の一人暮らしなんて、こんなもんでしょ。」
「開けちゃいけないものある?」
「ないない。適当に開けてって。」
とりあえず、10箱あるかないかの段ボールを開けていく。

