「えっ」
「芽依ちゃん、ごめんいきなり。」
私の前にいたのは、帽子を目深に被ってマスクをしていた雅くんだった。
「あ、いえ。」
「芽依ちゃんの連絡先知らなくて、連絡したかったんだけどできなくて。」
何を話せばいいか分からない。
こんなところ誰かに見られたら、雅くんにまで迷惑がかかってしまう。
「涼太が話したがってるんだ。会ってやってくれないかな。」
「え…。」
このままでいいとは思っていなかったけど、どう言えばいいのか分からない。何を話せばいいのか、涼太くんが今何を思っているのか。聞きたいけど聞きたくない。
先に逃げたのは私の方なのに。
「時間ある?」
「はい。」
雅くんは紙切れを渡す。

