ごはんなんて喉を通らなかった。
毎晩眠たくても眠れない日が続いていた。
事情を知らない上司や他の人も心配してくれたが、食あたりになったというと多少痩せたことにも納得していた様子だった。
無心で仕事をしていると、時間を忘れられる。
他の人にこれ以上心配されないように、笑顔で仕事をする。
定時過ぎ、人がまばらになっていく。
「おつかれさまです~」
「おつかれさまでした。」
仕事は大分片付いているけど、考え事をしたくなくて残業をする。
そんな生活を2週間続けていた。
涼太くんからの連絡の頻度は落ちていって、きっと愛想をつかしたんだと思った。
残業を終えて21時過ぎ。ウィークリーマンションに帰ろうと駅へ向かう。
そろそろちゃんと賃貸に引っ越さないとな。
もうすぐ駅に着く、そう思った時。誰かに手を引かれた。

