出会った彼は


美沙の言葉に頷いて、スマホをタップして耳に当てる。


「芽依ちゃん?」

「うん。」

「もう、見た…よね?」

「うん。」


いつもより少し低い涼太くんの声。

「芽依ちゃんは、なにも気にしなくていいから。でもごめん、数日は家に帰れそうにない。家に俺が居たらマスコミが来るかもしれないから俺はホテルに泊まることになった。ごめんね。」

「…。」

「芽依ちゃん?」


何も話さない私を心配したのか、涼太くんが名前を呼ぶ。

「近くにいてあげられなくてごめん。何かあったら雅を頼って。連絡も、少し落ち着くまで待ってて。」

「わかった。」


そこからの仕事は、身が入らなかった。

気付いたら仕事が終わっていて、心配する美沙に大丈夫って言って帰ってきた。