出会った彼は


私のスマホを見てみるけど、涼太くんからの連絡はない。


「芽依、大丈夫?今日はもう仕事休んで帰ったら?」

「いや、仕事は仕事だから。」

「でも…。」


心配してくれる美沙にお礼を言って、自販機に向かう。

ホットコーヒーを買ったけど、手が震えて上手くプルタブが開かない。


「芽依…。」

美沙が付いてきてくれていたようで、心配そうにこっちを見る。

「気を付けてたはずだったのに。海外ならって思ってたからこうなるんだよね。こうなるなら、旅行なんて―――」


♪~~~~~


行かなければよかった。そう続けそうだった言葉を、着信音が遮った。

着信―涼太

今一番声を聴きたい人。だけど、どうやって話していいかが分からない。


「芽依、電話。彼からでしょ?出た方がいいよ。」