スマホを耳に当ててこちらをじっと見ている涼太くんと目が合った。
私と目が合った涼太くんはスマホから耳を離す。
自分のスマホの画面を見ると通話が切れたようで画面が暗くなった。
その直後、撮影開始の声がかかり何か言いたそうな涼太くんの顔を横目に自分たちのコテージへ戻った。
コテージの近くまで来て、隆也さんの腕を引っ張っていたことに気付く。
「あ、すみません。」
「いいよ。でもよかったの?推しのグループだったんでしょ?もっと話せたんじゃない?」
私の顔を覗き込みながら、隆也さんはもったいないとでも言いたげな顔をする。
「いやいや、そんなことしたら迷惑かかりますし。」
「そうかな、ファンの人って芸能人からすると嬉しいもんじゃないの?」
「まあ、そうかもしれないですけど。でもいいんです。」
隆也さんは若干納得のいっていなそうな様子だったが、そういうもんなのか~とボソッと呟いてコテージの中に入る。
さっきの涼太くんの顔、何か言いたそうだったな。
去り際の涼太くんの顔を思い出して少しだけモヤっとする。

