出会った彼は


「七瀬さん、準備お願いします。」


スタッフさんに呼ばれて有村くんと別れる。

メイクを少し直してもらい、カメラの前に立つ。


「わー、なんか緊張しちゃうね。」

目の前の雅くんがこっそり私に向かって言う。

どうしたらいいか分からず、ゆっくりと小さく頷く私。


「まあ大丈夫だから、ゆるくやろ♪」

そこから撮影は順調に進み、後ろ向きだし案外緊張感も取れてきたころ。

最後のメンバー、涼太くんとの撮影になる。


アングルなどの準備をしている間、涼太くんが私に話しかける。

「びっくりした。」

「私も。会社の商品届けに来たら代役頼まれて。とりあえず何も分からないまま準備しちゃったから。」

「そうだったんだ。俺も、撮影終わったら言おうと思ってたから。芽依ちゃんの会社のだって気づいてはいたんだけど。」

「あ、気づいてたんだ。」


意外。私が働いているところ、覚えてたんだ。あまり興味がないのかと思ってた。