「今お時間頂けます?」
「あ、はい。」
ラフな格好だけれど清潔感があり、ジャケットを羽織っている男性。
何となくだけど、撮影隊の偉い人なんだろうな~っていうのはわかる。
「今日出演予定の女優さんが出られなくなってしまってですね。代役を探していまして。」
あぁ、だからみんな慌ただしかったのかと妙に納得。
「代役ですか。どれくらいの年齢の方でどういった雰囲気の方がよろしいですか?」
会社にいるスタッフで行けそうな人を上司にピックアップしてもらおうかと思っていると。
「あ、あなたにお願いできないかと思いまして。」
男性が答える。
「へ?私?」
思わず声が裏返る。
「はい、ちょっと撮影の仕方を変えて顔は映らないようにするので。手元と後ろ姿だけお願いできませんか?」

