出会った彼は


「あ、有村くん。今日ここの仕事だったの?」

「そうそう、後輩がいろいろやらかしたからこっちにピンチヒッター。」


有村くんが居るなら心強い。

「はいこれ。今日撮影で使うって言ってた分持ってきたよ。」


「ほんっとうにありがとう。助かった…。」

まだ撮影は始まっていなかった様子だし、中のスタッフさんたちが少し慌ただしく動いているように見える。


「撮影はまだなんだね?なんかあったの?」

「俺もさっき出先から直接来たからよく分からないんだよね。あ、ちょっと待ってて。」


別の人に呼ばれた有村くんは奥の方へ行ってしまった。

待っててと言われたから待っていたけれど、うーん。もうすることもないし帰ろうかな。


そう思った時。

「あの~、今お時間大丈夫ですか?」

「え?」


スタッフと思われる男性に声を掛けられる。