出会った彼は


「あれ、俺の妹。」

「いもうと…?浩介、弟しかいないよね?」

「ごめん、言葉足らずだった。俺の弟の嫁さん。今度両親の誕生日に、どこかうまい飯でも連れて行こうって兄弟で話してて。その前に一回飯でも食いに行こうって話になったんだよ。でも弟、昨日スマホ水没させたらしくてさ。だから今回だけ義妹の嫁さんの方と連絡とってたんだよ。」

「え、そうだったの…?」

「うん、やましいことしていたわけじゃないけどなんか焦っちゃって。なんて説明しようか迷ってるうちに美沙出て行っちゃったから。」


有村くんは美沙をまっすぐ見つめながら説明する。

「本当にごめん。不安にさせて。メッセージで言おうか迷ったけど、ちゃんと面と向かって話さないとと思って。美沙を嫌な気持ちにさせちゃったから。」

安心からか、涙を流している美沙を優しく抱きしめた有村くん。

「私こそごめん、浩介そんな人じゃないの分かってたのに何も聞かずに出てっちゃって。不安で…。」

「うん、今度からはちゃんと全部話す。弟のスマホが壊れた話なんて興味ないかと思って話さなかったけど、こんな風になるなら興味ないことでも話す。」

「うん、私こそ本当にごめんなさい。」

「いいよ。両親と飯食う時美沙も一緒に来てほしいと思ってるから、その時改めて家族にも紹介させて。」


そう言われた美沙は、少し落ち着いていた涙をまた流していた。