「芽依ちゃんか。俺は今アイドルじゃなくて1人の人間、本郷 涼太として芽依ちゃんの事もっと知りたいから誘ってるんだけど。ダメかな。それとも、嫌?」

綺麗な瞳をキラキラさせてじっと見られる。そんな顔で見られると…


「嫌では…ない…です…。」

つい、言ってしまった。なぜこんな風に言ってくれるのかは分からないけれど、でも私だって知りたいと思ってしまった。
アイドルとしての姿ではない彼の事を。


「やった!じゃあ連絡先教えてもらえる?俺そろそろ戻らないとでさ。」

そういうと彼はスッとスマホを見せる。


私もスマホの画面を開く。が、失敗した。もっと見えないところで画面を開けばよかった…。

私のホーム画面には今隣にいる人。つまり私の推しこと涼太くんの画像がドーンと映し出されていた。


「ほんとに俺のファンなんだね。嬉しいね~」

なんて顔をくしゃくしゃにして笑いながら、私のスマホの画面を覗く。


「すみません、なんか恥ずかしい…。」


すぐにメッセージアプリの画面を開いて連絡先を交換する。

「ありがと。連絡するね。じゃあ」