あの男。きっと想のことだろう。
「元カレ…。」
「何で話してたの?」
「たまたま声掛けられて。早く戻りたかったけど、戻れなくて。」
「何話してたの。」
淡々と、聞いてくる涼太くんの顔を見られない。
「今日空いてるかって聞かれて。」
「芽依ちゃんはあの人と一緒に居たかった?」
「そんなわけない!涼太くんが―――」
涼太くんが好きなのにそんなこと考えるわけない。そう伝えようと思ったのに
目の前にいる涼太くんは、悲しくて寂しそうな顔をしていた。
「ごめん。芽依ちゃんのこと疑ったわけでも信じてないわけでもないんだけど。」
「あぁやって他の人と話してるの見たら、取られるんじゃないかって怖くて。」
綺麗な瞳を揺らしながら、ポツリポツリと呟く。
「そんな、私は涼太くんが大好きだよ。推しだからとか、そういう好きじゃなくて。1人の男性として好きだよ。」

