そう……

近付いてその人が振り向くまで、全然違うものに見えていた。

今下に見える子は見た感じがそれに似ている。


私は魅入られたように、下に立っている女の子を見ていた。

女の子はじっと佇んだまま、ぴくりとも動かない。

息を殺して見ている私の鼓動は高鳴っていく。

いつの間にか全身に汗をかいていた。

それが蒸し暑さのせいなのか、別のなにかのせいなのかわからない。


「誰なの?あれは……!?」

うめくように言ってから私は唾を飲むと、意を決して部屋を出た。

この前感じた恐怖よりも、あれが誰かという興味が勝った。


玄関のドアを開けて外に出ると、電柱の陰に立っている女の子を認めた。

うつむき加減にじっと立っている。

でも、こちらに背を向けていた。

おかしい。上から見ていたときはたしかにこちらを向いていたのに。

訝しく思いながらも、私は一歩踏み出した。

心臓がばくばくして、息苦しくなる。

それでも近付かずにはいられない。