霧崎蓮斗…くん?

に、連れてこられたのは資料室だった。

ここは滅多に使われない場所…どうして?

「あ、あのー。」

「ぁ゙?」

怖っ!

「い、いやあの。ここになんのようなんですか?」

「は?何ってあんたを抱くため。」

「えっ?」

「はあー?あんた頼めば抱かせてくれるって有名だけど?」

「た、確かに頼まれたらやりますけど…。有料ですよ?」

「は?いくら?」

なんか、こいつに抱かれるのは嫌だな。

よし!良いこと思いついた。思いっきしふっかけよ!

「十万円です。」

「あー。なんだ意外と安っ。」

え?安い?十万円が?

「ほらよ。」

そう言うとそいつはポケットからホントに十万円を出した。

「えっ?」

「ぁ゙?あんたが言ったんじゃん。」

「まあ、確かにそうですけど…」

だって、普通ホントに出す?

「じゃあ、遠慮なく。」

ドスッ

「えっ!あの…。」

まさか、ホントにやるの?机で?

「なに?ダメなの?」

でも…十万円はほしい。これで生活が少しでも楽になるから。

「いえ、喜んで。」

「ふーん。」

いや、ふーんって…んっ!?

「んっ、んーん。ん゙ッ」

えっ…急にっ。激しいっ!

「さっすが上級者。キスが上手だね。」

それ、褒められてるの?

「でも、まだまだだね。」

えっ?

「ひゃぁん!あっ、んっ…ん~。」

なにこいつ…悔しいけどメッチャ上手っ!

いったい今まで何人とっ!

「ひっやあん。ちょ、あっ、まっ!」

……イッテしまった。

まだ始まって一分くらいしかたってないのに。

ああ、そういえばいつも攻める側で攻められたことなんて全然なかった…

それにしても一分って…まじか…

「あ、なた、そうとうの手練…ですね?」

「へぇ…あんたこの状態で喋れるんだ。」



「初めてみたよ。俺の一回目で正気を保ってるのは。」

「えっ?」

「だって、みんな震えてて使い物になんないし。」

なっ!

私、学校で一番くらいしたことあると思ってたけど、この人は格が違う…。

「ってことであんたは最高だよ。俺が満足いくまで付合ってね。」

「そ、んなぁ~。んっ、ああんっ!」

嘘…待って。私まだ準備がっ。

「大丈夫。壊しはしないから。」

こわっ?はっ、ん゙ッ。なっ!ま、ちょ、あぁ。

…どうして?私はこんなに息切れしてるのに、

どうして君は息一つ乱してないの?

どんな体力してんのよ!



結局、三時間ものフルコースはすごく疲れた…。


「いや、やっぱり最高だよ。噂になるだけあるわ。また、よろしくね。」

「はあ…はあ…ど、んな体力し…てるんで、すか?」

「はは、うける。息絶えたえじゃん。人工呼吸してやろーか。」

「い、嫌です…」

「あ、あとごめん。」

は?どうして急に謝るの?逆に怖いんだけど。


「あんた今日からバイトで演技しなきゃかも。」

「演技…?」

「そ。あ、一つ聞いていい?」

「うん。」

「今まであんたがしてきた中で今回のは何番目?」

何番目…そんなこと聞かれたら、そりゃあ

「一番です。」

「はあ、やっぱり…ね。」

なにが…? 

「俺に抱かれた女は、俺以外じゃあ満足できなくなるから。」

は?

「…冗談ですよね?」

「ホントだよー。んー、信じてもらえないんだったら一つ教えてあげる。佐々木真央って知ってる?」

「え?はい。知ってます。」

「じゃあ、真央が昔、喜多川先輩よりもビッチだったのにそうじゃなくなった理由…知ってます?」

なんか…想像つく。

「まさか…」

「そ。そのまさか。」

「じゃあ、私もしかして客をとれない体になったんじゃ…?」

「うん。そうかもね。」

「なっ!どうしてくれるんですか!?」

「これじゃあ私…生活できないです。」

「ねぇ、ものは相談なんだけどさ俺と特訓しない?」

「とっくん…?」

「そ。俺ね悪いと思ってるんだ。だから学校終わったら俺んち来て。」

「えっ?でも…」

「大丈夫。金は払うから。一日三十万で足りる?」

さんじゅうまんっ!?

「そんなにいらないです!あの…なんの特訓ですか?」

「ああ、喜多川先輩が抱かれてるときにする演技の仕方。」

「お、教えてくれるの…?」

「はあ、さっきからその話してんだけど?」

「ご、ごめん。ありがとう。」

「いや、いいよ。」

ということで、私は霧崎蓮斗くんの家に住むことになった。