私は憂ヶ丘高校に通う高校二年生。

憂ヶ丘高校と言ったら全国でもなおりの不良高校。

どうして日本四大財閥の第2席の一ノ瀬財閥の令嬢

がこの高校に通ってるのか…不思議だよね。



それは…私の好きな人がここにいるから。

私の初恋の相手…霧崎湊斗君…。

ずっと会いたかった。だからお父様に無理を言って

この高校に通わせてもらってるんだ。

あ、私が一ノ瀬財閥の令嬢っていうのはみんなにも

内緒…にしてるんだ。莉花ちゃん以外にはね。


莉花ちゃんは私の大親友なの!

明るくて可愛くて優しい…最高の友達!

あ、ちなみにだけど、学校では変装してるの。

私が一ノ瀬財閥の令嬢だってバレたら恥だってお父様がおっしゃったから。

でも正直この変装とても気に入ってるの。

金色の髪を黒色にして、桃色の瞳を黒色の瞳に。

あ、普段かけないメガネもしてるんだ!

これで誰も私だってわからないと思う。

初めは拓真お兄様にもバレなかったくらいだもん。

まあ、これも莉花ちゃんには言ってあるんだ。

莉花ちゃんに隠し事はしたくないから。

でも、でも莉花ちゃんにも隠してることがある…

それは、私が偽りだということ。

学校での私と、家の中での私は別人。


学校での時だけ私は羽住咲夜夏として生きる。




「お嬢様、起きてください。」

私の朝はお世話係の谷口さんの声で始まる。

それから車に乗って学校の400メートル手前で
おろしてもらう。

バレたらいけないから、

それから2年C組に行く。

二年生の教室は一番上の三階なの。

そしたら親友の莉花ちゃんに挨拶して荷物の準備をしたら少しお話する。

あ、ちなみに莉花ちゃんは、私のことを咲夜ちゃんと呼んでくれる。

「おはよう!莉花ちゃん。」

「あ、おはよう!咲夜ちゃん!今日は早いね、どうしたの?」

そう。いつもはあと20分くらい遅く来るんだけど
今日は莉花ちゃんに用事があって早く来たんだ。

「えーと、実はね課題で分からないとこがあって莉花ちゃんに教えてもらおうと思って…ここなんだけど。どう…?」

急なお願いだし、難しいようだっら無理は言わないって決めてたんだ。でも、

「うん!全然いいよ!えっとねここは一次方程式の応用だよ。中学三年生の内容だけど難しいよね。」

やっぱり莉花ちゃんはとっても優しい。

「うん…昨日一生懸命頑張ったんだけど全然分からなかったんだ…。莉花ちゃんは凄いね!」

「っ!は、恥ずかしいよぉ!」

私が褒めるとたちまち顔が赤くなる莉花ちゃんはとっても可愛い。

私も莉花ちゃんに魅了されちゃった一人なんだよ?

だってこんなに可愛のに魅了されないわけないよ!

そこで私はあることに気がついた。

「あれ?莉花ちゃんそこの首のアザどうしたの?」

莉花ちゃんの白くてきれいな肌に何か所か青紫色のアザができてた…もしかして何かあったのかな…?

「えっ…?あ!もしかして昨日の…?もうっ!」

「莉花ちゃん…?」

大丈夫…?

「違うの!咲夜ちゃん!これは…、えーと。あ
 の…キスマークです、、」

「えっ!キスマークっ?もしかして喜多川君からの?」

「うん…。」

少し照れながら話してくれた莉花ちゃん。

あ、喜多川君は莉花ちゃんの彼氏なの!

ちなみに、喜多川君は憂ヶ丘高校でトップクラスの有名人なんだ。

だって彼はここら一帯を縄張りにしてる蘭穿の若頭なんだって。

すごくかっこよくてこの学校でもファンクラブができるほど大人気だよ。

だから莉花ちゃんと喜多川君はこの学校一番の美男美女のカップルなんだ。


それに…喜多川君は湊斗君の親友なの…。

「咲夜ちゃん…?どうしたの?何か悩み事…?」

あっ!そうだ、私…莉花ちゃんにあの事を相談しようと思ったんだ。

「うん…。実は私…、あの」

「うん。」

「い、許嫁ができたの…。」

「えっ?い、許嫁?誰なの?」

「嶺岡様…。」

「み、嶺岡っ!?もしかしてそれって…あの?」

「うん。嶺岡財閥の御曹司だよ。」

「嘘…。えっ?でも咲夜ちゃんには確か好きな人がいるんだよね…いいの?」

「っ、うんん。私はまだ好きだよ、湊斗君のこと。」

「だったら…!」

「うん…でももう無理だと思うんだ。だって相手はあの嶺岡財閥だよ?するとこやることは全て提案ではなく、強制なんだよ。逆らえないよ。」

そう。できれば私も湊斗君のことをずっと好きでいたいよ…?でも…。

「そんな…。そんな…ダメだよ!どうして諦めるのっ!?霧崎君に会うためにこの学校を選んだよね。私ね実はとっても霧崎君に感謝してるの!」

「えっ?どうして?」

「だって霧崎君がいなかったら私、咲夜ちゃんに会えてなかったもん!そんなの絶対嫌だよっ。」

「莉花ちゃん…」

「あのね、咲夜ちゃん!勇気を振り絞って湊君に会いに行こう!舜夜君にお願いしたらきっと時間取ってくれるよ!ねっ?」

「でも…。きっと湊斗君は私のこと覚えてないよ。」

「そんなの会ってみないとわからないよ!」

「でも…きっと湊斗君。私の性格と顔みたら嫌っちゃうよ。」

そう…私全然可愛くない。

それに性格だって全然ダメ…。

人見知りで初対面の人にはすごくツンツンしちゃって怖い人だって思われてるみたいだし…

そのくせ、一人になると寂しくなるなんて…。

自分でもダメだなって思うよ…?

「違うよ!咲夜ちゃんはとっても可愛いし性格も最高だよ!こんなにいい人いないよ!」

「莉花ちゃん…。」

「咲夜ちゃん!お願い!莉花のお願い聞いて?」

「つっ!莉花ちゃんっ!それどこから習ったの?」

「お母さんが教えてくれたの!お父さんにしてごらんって!」

「莉花ちゃんのお母さん…。」

「ダメ…?」

「うん。わかった。お願い、莉花ちゃん。」

「ふふ!うん。任せて!」