僕はこのセカイが大嫌いだ。このセカイを作っている人間が大嫌いだ。人間の心が大嫌いだ。
でも、本当は一番ジブンが大嫌いだ。
人と違ってうまく笑えないジブン、脇役にしかなれないジブン、なんの才能も持たないジブン、ジブン自身の全部が、
『大っ嫌いだ。』

僕はXジェンダー、いわゆる中性な人間だ。
Xジェンダーには基本的に4つの種類がある。僕の症状は「自分自身に性別があることに違和感を持つ」というもので体の性別は女だ。
女なのになぜ「僕」という一人称を使っているか疑問に思うだろうか?さっき言った通り僕はジブンの性別がわからない。男の人は「俺、僕」で女の人は「私」。世間一般ではそう決まっているようなので少し前まで「私」という一人称だったのだがジブンにあっている気がしなくて、どこかむず痒かった。
そして偶然?自分のことを「僕」という同級生を見つけ、「私」は男の子使わないけど、女の子で「僕」が使うなら一番僕が中性的だと思い、その時から一人称を変えた。
この一人称なことで周りから色々言われることもたくさんあるがなんかやめ時を見失ったというか直そうとしても2日くらいでもとにもどってしまうのだ。もうしょうがないかなと思い始めている。
まあ自分の紹介はこんなもんにしておいて、今は授業中だ。
どうしても集中できなくて自分について考え出してしまった。他にも考えれば良いことたくさんあったのになんで自分について考えっちゃったんだろ。自分でもよくわからない。
もうどうでもいっか。過ぎたことなんて考えてももう事実は変わらないんだから意味ない、無駄な思考だ。
...はやく授業終わらないかな、なんも考えたくないし寝たいけど寝たら先生に叩き起こされて余計気分が悪くなる上に成績も悪くなる。何もいいことがない。
僕はメリットがないことは絶対したくない。だってメリットがないことをやって損するのは自分じゃないか、なんでわざわざ自分が損することをするんだろうか。意味がわからない。
なんか全部にイライラする。楽しいことなんてなにもないし毎日ダラダラと何をしているんだろうって自分でも思うし、「楽しくない」って考えてるくせに楽しいことをしようとしない自分が悪いってわかってるけど何していいかわかんない。
こんな窮屈なセカイで何をすれば楽しいと思えるのだろうか。「死にたい」と言えば「生きろ」と言われ、「生きたい」と言えば「死ね」と言われるこんなセカイだ、ないものねだりの僕ら人間も悪いが流石に理不尽だと思う。
あーあ、どっかに面倒くさくなくて楽しい最強な人とか物ないかなぁ。この願いを大声で叫びたい。
とりえず...はやく授業終われ......

はぁ、やっと終わった。さっきからため息ばっかりな気がするなぁ、別にそんなんどうでもいっか。今からは昼休みなので急に回りが騒がしくなる。僕は話すような友達もいないし教室にいると邪魔だと思うので無言で教室をでる。どこで昼ご飯食べようかなぁ。
裏庭の方行こう。あそこは静かで人気もなくて誰かの邪魔になることもない、一番いい場所だ。移動しよう。

ここを選ぶ一番の理由は「人がいないから」なのに、誰かいる...この静かな場所に人がいるの嫌だな、僕の他にもこの場所知っている人いたんだ。これからもここ来るのかな、正直嫌だな...
あっ、自分がここに来なければいいだか。案外簡単な話だった。明日ここに来てみてこの人がいなかったら移動しなくていたら違う場所に行こう。ここのほかに静かで人が来ない場所ってあったかな、探すの面倒くさいなぁ...はぁ。
なんかさっきからため息ついてばっかだな、「ため息を付くと幸せが逃げる」とよく言うけれど、幸せがないからため息をつくんじゃないか。っていつも思う。そんな格言作るくらいなら楽しみをくれよ。
なにも考えずに昼ご飯を食べ終える。昼休み中何しようかな、毎回毎回微妙に長いし暇なんだよな。本読むか、音楽聞くかそれくらいしか選択肢がない。今日は本でも読もう。あ、やばい小説教室に忘れてきた。うわ、最悪だ、取りに行くしかないかな...
校内にもどると一気に人の声がする。次の授業の話、教師の愚痴、最近見た可愛い物など学生らしい話題が飛び交っている。
一人でいるのなんて僕と数名くらいだ。僕も、他の数名もいわゆる「ぼっち」ってやつなのだろう。そんな他人からみた名称に興味はないしどうでもいいのだけれど。
教室の前に行くと先生がいて生徒と何かを喋っている。なんだろうかと少し聞いてみると日直日誌を真面目にかけみたいな感じの内容だった。日直日誌なんて真面目に書いとけば二度手間とかないし一番楽なのになんでそんなとこでふざけるんだろ。意味わかんない。
あーあ、あそこ通るの気まずいなぁ。嫌だ。できるだけ遠い位置通るしかないかな、気づかれないといいな話しかけられでもしたら僕の昼休みが消えるし。
できるだけ存在感を消しながら、二人の横を通り過ぎる。
よかった、話しかけられなかった。けど通りすぎるときめちゃめちゃ見られてきまずかった...生徒の方はなんか助けを求める目をしてた気がする。もし仮に本当に助けを求める目をしてたとしても僕に助ける義理もメリットもないから助けないけど。
辛辣とかそんなん僕に関係ないし。移動するの面倒くさいしここで小説読もう。
教室にはひとが10人くらい?いて凄いこっち見てくる。多分教室に僕がいることが珍しいんだろう。普段僕は授業終わったら五分の休み以外はすぐ違う場所に行くのでそのせいだ。
いちいちそんなことで盛り上がるって相当暇なんだろうなぁ...ていうかもう


はぁーあ。めんどくせ。