初恋、それはこんな気持ちで――。

 「想像の中でも、いつもと変わらない毎日を過ごしてた」
「……だよな。いつも一緒にいるし、多分付き合ってもあんまり変わらないよな」
「そう。私も同じこと思った。でもね、考えていたらだんだん叶和くんと離れたら嫌だなって気持ちになってね、一瞬泣きそうになった」
「……俺も、亜結奈と離れるのは絶対に嫌だ」

「こんなに離れるのが嫌だと思える人、多分叶和くん以外に現れないと思うから、試しに付き合ってみよっか」

 私はちょっとだけ身を乗り出し、叶和くんの横顔を見て様子をうかがった。実はこの言葉を伝えるのは、すごく緊張した。

「好きだから付き合おう」ではなくて。きっと叶和くんに不思議な理由だなって思われそう。だけど叶和くんは全部受け止めてくれそうだから、その言葉を伝えられた。

「いいの?」

 こっちを見た叶和くん。

「危ない、きちんと前向いて運転して!」
「ごめん……すごく嬉しくて」

 私は叶和くんの背中に向かって微笑んだ。