初恋、それはこんな気持ちで――。

「遊園地、どうだった?」

 とりあえず思いついた質問をした。

「楽しいよ」
「そっか……」

「湊にいちゃんにチケット買ってもらっちゃった。湊にいちゃんっていつも優しいよね」
「うん、優しい……」
「あとね、手を繋いで歩いたんだけど、緊張しちゃった。どうしてだろう、湊にいちゃんカッコイイからかな……」

 どうせ俺は兄貴みたいに人にそんな優しく出来ないし、そこまでカッコよくないし。

「兄貴のことばかりほめないでよ」
「なんで?」
「分からないけど……」

 いや、もう分かってる。
 このモヤモヤの全ての原因。

「俺、亜結奈に恋したかも……」

 亜結奈から視線を外し、俺は前にいる子供の頭辺りを見ながら言った。

 いきなり何言ってるんだ?とか思われているだろう。でもそこまで言ったんだから、もっと、何言ってるんだろうってことを、言ってしまおうか。

「こ、恋?」
「そう」

 亜結奈の目を見つめる。

「俺、亜結奈の初恋の相手になりたいし、恋人にもなりたい」

 亜結奈は、はっとした表情をした。そして「いや……でも」と困った表情を続けた。