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「はああ、やっと終わったあ~……」
「みんなお疲れさまー」
もう動けないと言わんばかりに椅子に腰かけた向葵ちゃんの一言により、みんなの雰囲気が一気にぐたっとしたものになった。
とくに咲菜の水をぐびぐびと浴びるような飲みっぷりと言ったら。
それを眺めていたとき、忘れかけていたものを思い出す。
「ーーあっそうだ。これみんなで食べて?」
「っわあ……美味しそうなクッキー……っ!!」
「……めちゃくちゃ美味しそう……」
机に広げたのは、昨日の夜に頑張って作ってきたクッキーたち。
自分にしては上手く出来たし、味見もしたから大丈夫なはず。
わらわらとそれが並べてある机にみんな集まり、サクッとした音がなり始めた。
「うわあ、なにこれ最高……いくらでも食べられそうです」
絶賛してくれる可愛い後輩の感想で、めちゃくちゃほっとした。
「……あれ?」



