……たぶん、怒ってる。
それに、舐めんじゃねーって、そんな言葉、あんまり使ってるところ見たことないのに。
「 センパイは、人に頼らなすぎ。責任感強いのは良いけど、持ちすぎ」
一緒懸命すぎ、前向きだけどひとりで突っ走りすぎ。
褒めたり貶したり、いろいろなことがつらつら早口で飛んでくる。
「……先輩は、皆に頼られて嬉しいと思いますか?」
「それは、もちろん……」
何を当たり前なことを、と訝しげな顔つきになると。
ふと、彼の声が柔らかく控えめになった。
宥めるようなその声は、優しく私の心に馴染んでいく。
「それは、俺たちも同じなんです」
「……あ」
「先輩に頼られたら嬉しいし、たまには弱みを見せてほしい」
完璧じゃないところを見せてほしい。
そしたら、
「先輩の弱さを、俺に分けてよ」
「……っ」



