なんか、最近で二回も助けられてしまった。
ぐっと腰に回されていた腕が離され、ゆっくりと熱がほどけていくのを感じる。
そしてうっすらと漂う、少し黒い空気。
「……先輩」
「……はい」
「ほとんど寝ずに作業してますよね?休憩とってませんね?」
隈隠せてませんよ?と、ニコニコ笑顔にブラックスマイルのサービスつき。
ギクッ、と体を強張らせた私に目をさらに光らせて、さらに深いとこをつく。
「全部自分がやらなきゃって、生徒会長だからって思ってません?」
「……う」
肯定も否定もせずに唸る私をみて、彼ははあーっと深いため息をついた。
そのあと、
「っいた……!」
「俺らを舐めんじゃねー、です」
「はい……?」
額にパチンとデコピンが飛んできて、鈍い痛みが走る。
音のわりにそこまで痛くはなかったところを押さえて、痛みの原因である彼の瞳をのぞき見た。



