「私も負けていられません!どんどん片付けします!」
「よしじゃあ向葵、一緒に頑張ろー
!」
「はい!」
持ち前のコミュ力で、あっという間に向葵ちゃんと仲良くなっている咲菜。本当に頼りになる友達だ。
「じゃあ私も……と」
大きな段ボール箱をもって、階段を降りる。
それにしても、最近は大変だ。疲れが溜まっているのが嫌でも分かる。
うう……もうひとり私が欲しい。
そうしたら一日交代制で働くんだ。めちゃくちゃ楽でしょ。
「ーーっわあ……っ!」
ぼーっとありもしない想像をしていたら、ずるっと階段から足を踏み外した。
災難すぎる。やっぱり疲れてるな私、と思いながら。
「ーーっぶね……」
一向に痛みは来ない代わりに、ぐっと支えられた力を感じてから、聞き覚えのある声と共に閉じていた瞼を開く。
「……悧來って、私の災難と出会う確率高いんじゃない?」
「……なんですかそれ」



