一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。





「んー……難しいだろうね。ホワイトデーは三月十四日って決まってるし」


「そんなあ…」



しょぼんとした向葵ちゃん、それはそれで可愛い。




もう戦争がみんなで共通の隠語になっていることに軽く苦笑しながら、私も真剣に考えてはいるけど。



……なんか私も思考放棄したくなってきたな。




やばい、生徒会長としてこれはダメ絶対。



いやでも、本当にいい案が浮かばない。

このままだと、これまでの悪夢(?)と同じ状態になること間違いなし。どうしよう。





「……だめだ、私ちょっと飲み物買ってくる」


「……まさか生徒会長、ひとりで抜けがけ思考放棄ーー」


「違います副会長」



違う、断じてちがう。

これは正当な理由あってこその休憩。うん。




「……美澄先輩、俺も行きます」


「まさか西宮までーー」


「違います副会長」


「……成沢先輩、まじでメンタル大丈夫ですか?」


「柳瀬、真顔で言うのやめて傷つく……」