一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。




ちなみに、成沢くんは去年会計の仕事を任されていた。



普段落ち着いていて、穏やかな華清生とは思えない日になり、まるで一日限定のテーマパーク状態らしい。

それも満員の。



あれはもう二度と思い出したくないーーー…と、嫌な記憶を振り払うかのごとく頭をふっていた。


今年もそれを経験する成沢くんにいたっては「胃薬持ってこうかな……」とか呟いていて、普段とはまるで違う様子に向葵ちゃんは心配を通り越してドン引きしていた。



とにかく、生徒会長としてはその経験があるかないかで大きな違いが出てくる、のに。



「なんで私風邪引いちゃったんだろう……」


「そこって落ち込むところなの?むしろ参加しなくて良かったって思わない?」


「うーん、私は今の三年生をしっかり卒業式に参加させて将来に送り届けるっていう義務があるし……」


「あははっ、言ってることがまるで母親だわ」