一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。



イコール、運営が滞り、卒業式は制服がぼろぼろの生徒は多発。


その争いは卒業式後もなお続き、後片付けを行う運営側は疲労困憊。



それはそれはもうドン引きするほど大変なのだと。


つまり、私たち運営側にとって三月十四日は厄日……悪夢というわけだ。



「あー……たしかに、私卒業式の日学校の前を通ったんだけど、思い出してみればその日は騒がしかったわー」


「そうらしいんだよねえ……」



卒業式だから一、二年は登校を禁止されているはず、なのに。



なぜか中庭には、三年生の数とは合わない人の多さになるらしい。



「ん?“らしい”って?恋奈は一年の頃は書記じゃなかったっけ?」


「……私、去年は風邪で欠席だったの」


「……なるほど、想像が出来ないっていうわけだ」


「そういうこと」



去年それを経験した運営部の先生と、現在の副部長である成沢くんが、死んだ魚のような目をして教えてくれた。