「なんで咲菜が知ってるの?」


「朝悧來くんにバッタリあってー」



一瞬どくりとした心音をゆっくりと落ち着かせる。


幸い、徐々に上がってきた頬の体温には気づかれていない。



「で、どうだったの?」


「……最後の記憶がない」


「え!?どしたの!?」



記憶喪失!?と急に慌てだす彼女に、記憶喪失ではないことをしっかりと伝えて、昨日の出来事を話した。





「ひゃー……悧來くんやるじゃん」


「やるじゃん、じゃなくて!」


「恋奈は何にそんな戸惑ってるの?」


「だって悧來だよ?いきなりあんなことされて、戸惑うに決まってるじゃん……」


「恋奈はウブだなー」


「うるさい!」