「“ちょっと”って言われても……明らか怪しいですよセンパイ」
「うっ、それは……」
あんまり咲菜の彼氏については自分からは話したくなかったんだけど、咲菜からグッドマークを貰ったため、かくかくしかじかで状況を説明した。
もちろん頭の良い後輩は、すぐに話を飲み込めたみたいで、通常運転と言わんばかりに軽く毒づかれる。
「センパイ、めちゃくちゃ悪目立ちしてますよ？生徒会長なのにこんなことして大丈夫何ですか？」
……全く大丈夫ではない、けど。
咲菜の友達としてちゃんと見守りたいし……。
「てゆーか、もういませんけど。綿乃先輩も、先輩の彼氏さんも」
「えっ」
驚いて思いっきり振り向くと、二人の姿はもうなかった。
……うそ、見失っちゃった。
