「……なんか、怪しい」 「え、なにが?」 「……かれし」 「…………、えっ」 神妙な顔をして机の上に肘をついて頬杖をつく咲菜。 またいつものように冗談でも言ってくるのかと思っていた私は身構えていなかったせいで、泣きそうな顔をした彼女と衝撃の発言にぴしっと固まった。 「……嘘でしょ?」 「ほんと」 「……ただの友達だった説」 「最近、電話が多くてね。……声、女だったの」 「……ううむ……」 グレーだ。非常に。 いや、でも咲菜の彼氏だよ? 確か咲菜にベタ惚れだったはずなんだけど……。