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「…そういえば先輩、四月一日って何の日か知ってましたか?」


「え?何かあったっけ…?」


「エイプリルフールです」


「ああ…!」



ちょっと待って、てことは私…あのとき可愛くない嘘つきまくった……。


嫌な予感がして、ばっと悧來を見ると、にこにこ顔で待ち構えていた。


「俺に彼女ができるの、そんなに嫌だったんですね」


「わあああ!」



『先輩として、悧來に彼女ができるのは嬉しいよ?』



自分の超強がりな発言が、こんなところで裏目に出るなんて……!



「ていうか、今その話はいいでしょ!?……悧來の彼女は私、だし……」



ごにょごにょ、恥ずかしさといたたまれなさで尻すぼみ。


顔が赤くなってる自覚は、ある。


 

「……はあ、俺、先輩には敵う気がしません」


「そんなこともないと思うけど……私だって、悧來には甘々だと思うし」



「先輩の強がりは、甘さの裏返しってことですね」


「なんでそうなるの…!?」