私たちがわあわあと騒いでる間にも、観覧車はぐんぐんと上へ登っていく。
そしたら、私の緊張も急上昇。
「り、悧來ってこの観覧車のジンクス知ってる?」
「ジンクス?……知らないです」
「…そっか」
なんで私、残念がってるの?
むしろあんなに緊張してたんだから、安心したっていいのに。
はあ、と息をつくと隣から楽しそうな笑い声。
「ふは、先輩落ち込みすぎでしょ」
「違うから!」
「はー…ほんと先輩って見てて飽きないし面白いです」
そう言って、少し私の方に寄ったかと思えば、急に影が落ちてくる。
至近距離に綺麗な顔があって、伏せられたまつげが長いなあ、なんて思ったとき。
ーーーちゅ、と音をたてて軽く、くちびるが合わさった。
ちょうど、空に近い、いちばん上で。
「……え、」
「観覧車の一番上でキスしたカップルは永遠に結ばれる、でしたっけ?」



