……ていうか、悧來はこのジンクス知ってるのかな?
考えただけで頬がじんわり熱をもつ。
さすがに、キスの一つや二つはしたことがある。だけど、相手が悧來というだけで全く違う。
「ーー、わ」
急に観覧車がガタ、と揺れて体勢を崩すと、しっかりと鍛えられた腕が支えてくれた。
「……私、悧來が思ってるほど完璧じゃないよ?」
「知ってます」
「情けなくて、……不器用だし」
「それが恋奈先輩なんでしょ」
「情緒は不安定だし」
「それは、そうですね」
「…もう、そこは否定してよ……。そんな私が彼女でいいの?」
多分私は自分が安心したくて言ってるというのを、悧來は見抜いてる。
さすがだね、……私の彼氏は。
「俺は、そんな恋奈先輩ひっくるめて好きになったんです」
「……はいはい」
「照れました?」
「照れてません」



