「……いい加減、俺にする気になった?」
「……ふふ、うん。大好き」
「……その答えは反則でしょ」
うりうりと顔をうずめられるから、首にかかる柔らかい髪がくすぐったい。
でもそれさえも愛おしい。
「……俺がどれだけ先輩の元カレさんたちに嫉妬してたか知ってます?」
「悧來って嫉妬するの?」
「人並みに……いやそれ以上ですかね」
「っ……」
「先輩は俺を後輩としてしか見てなかったと思うけど、ずっと俺にすればいいのにって思ってました」
それは、つまり。
私のことを相当思ってくれていたということで。
ぷしゅう……と顔から火が出そうになる。
何も言わずに、抱き締める腕に力をこめると、ぎゅっと応えてくれた。
「…先輩、俺の彼女になってください」
「ふふっ、もちろん…!」
温かくて、すごく安心する悧來の体温。
こうしていられることが、すごく、すごく、
幸せーーー。



