『センパイ、最初どれ乗ります?』
『んー、どうしよう迷う……』
『じゃあ、あれにしませんか?』
と、指差された方向にあったのは“最恐!”と書かれた大きい看板が目立つジェットコースター。
心なしか目をキラキラさせて聞いてきたから、相当好きなのだろうと思って乗った結果。
『ふー…スリル満天だったねー悧來。……あれ、悧來?』
『……むり……』
『えっ、うそうそ待って大丈夫?とりあえず休もう!』
というわけで今に至る。
「絶叫系苦手なら乗らなかったら良かったのにー」
「少しだったら大丈夫なんですって。でもまさかあんなにキツいやつだとは思わなかった……」
まだ頭がぐらぐらする……と言ってる悧來のそばに座って、意外だな、と思った。
悧來って何でもできて、苦手なものが一切ないイメージがあったから。
かわいい……なんて、思ってしまって、前の私とはぜんぜんちがうことを知る。



