『恋奈先輩なら大丈夫ですよ』


『先輩の弱さを俺に分けてよ』



あのとき言われた言葉がよみがえる。



たぶん、心配とかだけじゃない。


私なら、という漠然とした信頼。


その言葉は私の中であんまり良い印象を抱いてないけど、悧來からだと安心感がある。


たぶん、“私”を解っているから。



ただの心配から出た言葉かもしれないし、信頼してくれている証拠なのかもしれないし、どちらでもないかもしれない。


でも、私のことを思って言ってくれた時点で嬉しくて嬉しくて、頬がじんわりと赤くなる。



「あれえ?恋奈チャン顔赤いよ?」


「……うるさい」



正直に言うと、まさか悧來ーー年下を好きになるなんて思ってもいなかったから、本当に自分に戸惑っている。


好きって自覚したら、タカが外れたみたい。



……とりあえず、とりあえず。




「何着ていこう…!?」


「え、なになに面白そう!私の知らない間に何があったのーー?」


「かくかくしかじかで…」



事情を話すと、咲菜は胸にぐっと握った拳を当てて、「まっかせなさい!」と自信満々だった。


「…咲菜」


「んー?」


「…ありがと、ね」


「そりゃあ、親友ですから!」