「ごめん恋奈、俺と別れてほしい」


「……は」



三月の始め、もうすぐ春を感じさせる桜が咲くころ。進級が間近に迫る時期に。


なんと、付き合って三ヶ月の彼氏にフラれそうになっている私。



「…え、なんで?私なにかした?」


「……なんか、恋奈って完璧過ぎるんだよ」


「……そんなこと、」


「ある。……恋奈は強いから、俺がいなくても別にいいんだろうなー…ってだんだん思うようになって」


「……」


「だからごめん、俺はもう恋奈と付き合っていられない」



……やっぱり、そうなんだね。




なんとなく、別れるんだろうなーって他人事のように思ってた。気づいてた。


知ってたよ。最近別の女の子とよく一緒に帰ってるってこと。


私に冷たくなったもんね。



「……わかった、別れよう私たち」