瑠水ちゃんがnightに取られてから、一週間が経った。

瑠花ちゃんは落ち着きをなくしたようにそわそわとしている。

瑠花ちゃんがnightに送りこんだ璃空さんからも連絡がないし……。

扉が開き、一人の男の子が転がり込んできた。

誰だ……?

戦闘態勢に入ろうとした波を止めるように、瑠花ちゃんがその子に駆け寄った。

「柊?」

「久しぶり、瑠花」

「瑠花、知り合いか?」

明らかにむっとしたような表情をした波が瑠花ちゃんの横に立った。

瑠花ちゃんはその子から視線を外さず、小さく頷いた。

「はい、瑠水の前の病院に入院していた子です。ね、湊」

「うん。初めまして、如月柊と言います。瑠花からみなさんのことはうかがっています」

「はいはい、そーいうの良いから、さっさと要件伝えてくんね?」

波がつまらなさそうに柊くんを見た。

彼は一瞬、怯んだように波から視線を外した。

そのまま瑠花ちゃんをちらりと見ると、大きく息を吸い込んだ。

柊くん、今の一瞬で波の警戒をとけたんだ。

凄いな。

波は、総長をしているだけあって、警戒心が強い。

「えっと……。俺、瑠水を取られたって聞いて、nightのところに行ったんです」

波が興味深そうに少し身を乗り出す。

「瑠水は璃空さんと一緒に、総長と副総長の後ろに立っていました。あと、もう一人、男の人がいたんですけど、誰かわかりますか?」

「……kingのことですか?」

月紀ちゃんが控えめに訪ねた。