陽菜ちゃんの何故か私と買い物をしたいという願い?を叶えるために結局男子と女子で分かれて買い物をすることにした。男子とは12時にカフェで集合することにしたので、それまで服を見に行くことにした。

「ねぇねぇ、服屋さんってどこにあるかわかる?」

と私が陽菜ちゃんに尋ねると

「えっとどこだったっけ?とりあえずエレベーターの方にマップがあったはずだから見に行こ!」

と言われ半分引きずられるようにしてエレベーターの方に連れて行かれた。マップを見るとお目当ての服屋さんは5階にあったのでそのままエレベーターに乗って5階に向かった。お店には可愛い服がたくさんあった。
最近入院していたせいで全然こういう場所に行けていなかった私の目にはまるでパラダイスのように思えた。隣にいる陽菜ちゃんもこころなしか目がキラキラ輝いているようだ。中に入って各自好きな洋服を見ていると、すごく可愛いワンピースを見つけて

「うわぁ〜この洋服すっごいかわいい〜」

と思わず心の声を漏らしてしまった。気づくと隣には、陽菜ちゃんがいて

「すごいかわいいね!結愛ちゃんにめっちゃ似合いそう!」

とニコニコ笑いながら言ってくれた。でも私は陽菜ちゃんが少し悲しそうな顔をしているのに気づいてしまった。すると自分でも気付かないうちに私は両手で陽菜ちゃんの頬を挟んで

「無理して笑わなくてもいいんだよ。なにかあるんだったら私で良ければ相談にのるよ」

と優しくほほえみながら言っていた。えっ!何いってんだろ私。こんなこと言うつもり無かったのに…陽菜ちゃんは私を見ながら少し驚いていたがすぐに泣きそうな顔になってしまって私は慌てて

「あっ、ご、ごめんね。迷惑だよね…」

と早口になりながらも言い訳するが

「うぅ〜結愛ちゃん」

と言って私に抱きつきながら陽菜ちゃんはポロポロと泣き出してしまった。このままでいると他の人の迷惑になるので一旦お店を出て陽菜ちゃんをベンチに座らせ、私は陽菜ちゃんが泣き止むまで隣で背中をポンポンと叩いていた。